Tove Jansson / The Book About Moomin, Mymble and Little My
「晩ご飯は もう食べた?」
「まだ」
「じゃあ、食べに行く?」
「うん」
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君と
忌憚(きたん)なく
いろいろなことを語り合う
仕事について
結婚のこと
独占欲のこと
そして
死について
私は
今まで
気づきもしなかった
君が
こんなにも
深く
深く
考え悩んでいた
ということを
擦(す)れた人からすれば
どうでもいいこと
取るに足らないこと
考えるに値しないこと
なのかもしれないが
君は
真剣に
考えて
悩んでいたのだった
例えば
「何が本当に正しいことで
何が間違っていることなのか?」と
君は
私と
同じようなことを考えて
ひとりで
ずっと
悩んでいたんだね
どうやら
ある種の人たちは
皆、同じ道を
辿(たど)るものらしい
とみたゆう子 「蒼い風」