Quatre Saisons ~絵本と ことばと 恋バナと~

昔々、ある所に"アラン"という名の怠け者の子供がいました。 その子は、大人になると洋書の絵本屋になりましたが、宣伝も商売もうまくありません。 ある日、こわ~い鬼から言われました。「アラン、せめてブログぐらい書いて、自分の店を売り込め!でないと、おまえを食っちゃうぞ!」と。 アランは「え~、めんどくさ~い」と思ったのですが、食べられちゃっては大変です。 そんなわけで、ブログで自分とお店のことを紹介しなければならなくなったアランは…

2016年12月

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Olof Landström, Lena Landström / Bu und Bä gehen auf ein Fest


君は言う

「違う課なのに

よくうちの課に来ますね。
ヒマなんですか?」

ギクッ!

「い、いや

忙しいんだけどさ…
こっちの課の
仕事の進捗状況は
どうかなと思ってね…
うちの課の方も
たいへんなんだけどもさ
そこは
うまくやりくりして
ヒマをつくって
来てるわけなんだよ」

「どうして?」

「え、えっ…」

君は
私の狼狽(ろうばい)

お構いなしに
を続ける
真面目(ま
じめ)な顔して

「ヒマって
どうやって作るんですか?」


「どうやって って…」

返す言葉が見つからない

沈黙ごまかすために
ポケットの中にあった

メンタル バランス チョコの
赤い小箱を
取り出し
ひと粒
口に放り込む

その間
ずっと
君の視線は
チョコの箱に注がれてる

「欲しそうな目してるね。
ひとつ あげようか?」

君は
黙ってうなずきながら
手のひらを
差し出す

そこに
のせてあげる
一粒のチョコ

手の上にのった
チョコから
徐々に
視線を上げる君

私の視線と
交わる
君の視線

そして
君の笑顔が
ゆっくりゆっくり
花開いていった

まるで
映画の
スローモーションのように



 

欅坂46 「二人セゾン」

花のない桜を見上げて
満開の日を想ったことはあったか?

君はセゾン
僕の前に現れて

君はセゾン
日常を輝かせる

二人セゾン
春夏で恋をして

二人セゾン
秋冬で去っていく

春夏秋冬
生まれ変われると

別れ際
君に教えられた


 
________________________________

お仕事に忙殺される
あなたを

私の紡ぐ物語が
一時でも
癒(いや)せたなら

一粒の
チョコのように
   (アラン)



 
↑ 事務的な作業による一時的・心理的なストレスを低減する
メンタル バランス チョコレート



「チョコレートの宣伝するより
自分の店の絵本の宣伝しろよ
!」


 


 

013
Hans Christian Andersen & Josef Paleček / Thumbelina


数日後

私が

事務所に入ろうとすると

ちょうどその時

中から出てきた

君は

私の前に立ちはだかり

じっと

見つめてきたのだった


私の顔を

私の目を

食い入るように

しげしげと

丸い大きな瞳で



     ♥


「俺の顔に 何かついてる?」

「ううん、何にも」

交わした言葉は

ただそれだけ

その振る舞いには

どんな意味がある?

私を値踏み?

それとも

興味津々?


結局

私は

その日 一日

仕事が全く

手につかず…


     ♥


でも

今 思えば

君の様子は

幼い子供のようでもあった

無邪気(むじゃき)で

怖(おそ)れを知らぬ

振る舞い

少女

まだ恋を知らない

少女の









ZARD 「IN MY ARMS TONIGHT」


熱く見つめて

夢を見させて
時間を止めて

いつも強がっていたの
あなた困らせたくて






 

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